東京国立近代美術館フィルムセンターで映画監督・篠田正浩の作品の回顧上映が企画されていました。そこで寺山修司が脚本を担当した「夕陽に赤い俺の顔」を見ました。この作品は篠田正浩と寺山修司が短期間で作品の構想を練り、あっという間に撮り上げた映画であるそうだ。アメリカの国旗をアートにしてしまったジャスパー・ジョーンズらのポップ・アートとディズニーに代表される動き戯化して見せるアニメーションの影響を受けた作品でもあるといいます。確かに映画は滑稽そのもので、一歩間違えばくだらない領域にはまり込んでしまう要素を多分に持っているといえるものでした。 映画では建設会社に雇われる8人の殺し屋が登場します。もうそれの設定自体が漫画的、パロディといっていい。たとえば医者と殺し屋の兼業をしているもの、大学出のアメフトの格好をしたエリートの殺し屋、ガダルカナル戦線を生き抜いた元...

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